【ブログ】時間の経過に触れてみる

2022/08/16

たはむれに母を背負ひて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず  石川 啄木『一握の砂』より

(かるいふざけたきもちで母を背負って歩き出してみたら、年老いて母はあまりに軽くて悲しくなり三歩も歩けなかった)
※様々な情景、解釈がありますが、ここでは簡潔に解説させていただきます。

私達の親が年老いたと感じるのはいつ、何がきっかけでそう感じるでしょうか?

成人式を迎えた時、子供ができた時、親が病気になった時、それとも詩のように親を背負った時でしょうか?たくさんの時期ときっかけがあるでしょう。

親が年老いた事を感じるのに、背負うことまでしなくても「触れる」という事によってとても実感が湧くと思います。

日本は親子間のスキンシップが世界の他の国に比べて低いように見えます。

海外ドラマや映画を観ていても欧米、アジア、信仰を問わず多くの国の親子がスキンシップをとっているシーンをよく見ます。

日本人は親にスキンシップとして「触れる」という事は今さら小恥ずかしくもあり、簡単にはできないという方も多いのではないかと思われます。


しかし改めて慣れないスキンシップを図るよりも、手軽にできる一番有効に思うスキンシップは肩を揉んであげる事です。

たまには肩でも揉んであげると伝えて、肩に触れてみましょう。

グイグイと力を入れる必要はありません。まず「触れ」そして敬意をもって優しくさする、なでるだけで良いのです。

気持ちがこもっていれば、それだけで気持ちが良く心地の良いものです。

その「触れ」ている時によく感じ取ってみてください。

手は肩の厚み、鎖骨から伝わる呼吸の強弱、自分よりも多く生きてきた分の首すじと肩の固さ、ついでに目は髪の毛の一本一本の色やツヤと太さ、意識してみると様々な親の老いを感じる事ができます。


時間の流れは公平に確実に、止まることなく、私達を老いへ歩み進ませていますね。

日々、対応する事に追われ忙しく毎日を過ごしている私達はその事実に意識を向ける事も忘れてしまいがちです。

ほんの少しだけその事実を頭の片隅に置き、簡単なアクションによって時の経過と親の老いに触れ、感じる事ができ、改めて敬意をもって接する事ができるのではないでしょうか。

まずは気負いせずに、気楽な気持ちで肩を揉んであげてはいかがでしょうか?

そこから意識してみると様々な感情と敬う心が芽生えてくるのではないかと思います。


マッサージは身体がどういった状態であるか?触れるという事から、施術が始まります。

私達、YOJOリハケアステーションは自分の親へ接するのと同じように敬意をもって、患者様に対応し、施術させていただく事を心がけております。



  中野



 

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