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【ブログ】「食と腸」が関節リウマチの火種になる? —— 最新研究でわかった “腸内細菌” との付き合い方

2025/11/01

はじめに


こんにちは、YOJOリハケア鍼灸マッサージ治療院 院長の神原です。

「手やひざが痛い」「朝、体がこわばって動きづらい」
—— そのようなサインは、関節リウマチの始まりかもしれません。
関節リウマチは自己免疫の病気で、放置すると関節が変形して日常生活に影響します。

近年、「腸内細菌」と関節リウマチの関係が次々と報告され、食事と腸のケアが発症リスクや症状の出方に関わることがわかってきました。この記事では、最新の論文を踏まえて、今日から実践できるポイントをわかりやすくまとめます。


 

関節リウマチは「腸」から始まる?

関節リウマチは、症状が出るよりも前の段階から、体の中で“関節を攻撃してしまう免疫反応”が静かに始まっていることが分かっています。
そのサインのひとつが「抗CCP抗体」と呼ばれる物質で、血液検査で検出できる“予告サイン”のようなものです。
この抗体が見つかると、まだ関節に痛みが出ていなくても、将来的に関節リウマチを発症するリスクが高いと考えられています。


近年の研究では、この抗体の背景に「腸内細菌の異常」が関わっている可能性が指摘されています。
なかでも注目されているのが、Prevotella copri(プレボテラ・コプリ)という腸内細菌です。

 


新研究が示す「腸内細菌と関節リウマチリスク」の関係

最近の研究で、「関節リウマチは腸から始まるかもしれない」という考えが広がっています。
関節リウマチの人や、まだ発症していないけれど将来的にリスクが高い人では、プレボテラ・コプリという腸内細菌が多く見つかることが分かってきました。


日本の研究では、関節リウマチの患者さんの腸の中に、このプレボテラ属の菌が健康な人よりも多く存在していたことが報告されています。
また、アメリカの研究では、まだ関節の痛みが出る前の段階でも、この菌に反応する抗体が血液中で増えていたという結果が出ています。

つまり、「腸の中でプレボテラ・コプリが増える → 免疫がそれに反応して抗体を作る → その反応が関節にも波及して炎症が起こる」という流れが、発症の一因になっている可能性があるのです。
ただし、すべての人で同じように起こるわけではありません。
菌の種類や食生活、体質(遺伝)などによって、影響の出方には違いがあります。


まとめると、腸内の菌のバランスが崩れる(ディスバイオーシス)ことで、免疫の働きが乱れ、関節リウマチを引き起こすきっかけになる —— これが、今の研究で見えてきた共通の考え方です。

 

食事は何を変える? —— 地中海食のエビデンス

腸内環境を整えるうえで、食事が非常に大きな役割を果たします。
野菜・豆類・魚・オリーブオイルを中心とした「地中海食」は、炎症を抑える効果が報告されています。


  ・ヨーロッパのコホート研究では、地中海食を続けている人は関節リウマチを
   発症するリスクが2~3割低いとされています。

  
・レビュー論文でも、地中海食や炎症指数(DII)の低い食事をとることで、
   関節リウマチの炎症や痛みが軽減される可能性がまとめられています。

 

ポイントは、いきなり大きく変えるのではなく、「足し算」で取り入れることです。
たとえば、

 

  ・主菜に魚を1品加える
  ・サラダにオリーブオイルをかける
 

肉中心のメニューを“週に数回”に控える —— こうした小さな工夫が、腸内環境をやさしく変えていきます。
特に高齢者では、体重よりも筋肉の質に注目することが大切です。

 


今日からできる” 実践ポイント👆

 1️⃣痛みやこわばりを観察する
   朝30分以上続くこわばり、左右対称の痛みは早期のサインです。早めの受診で関節の破壊を防ぎましょう。


 2️⃣腸が喜ぶ食卓をつく
   野菜・きのこ・豆・海藻・発酵食品を毎日少しずつ。脂っこい食事や加工品は週に数回に控えましょう。


 3️⃣魚とオリーブオイルを味方に
   サバやイワシなど青魚に含まれるEPA・DHA、オリーブオイルの抗炎症作用が助けになります。


 4️⃣腸内細菌の「多様性」を守る
   特定の菌を“悪玉”と決めつけず、さまざまな食材を摂ることが大切です。


 5️⃣口腔ケアも大事
   歯周病菌も免疫の異常と関わる可能性があり、定期的な歯科検診が関節リウマチ対策にもなります。



日本の地中海食” という考え方

地中海食といっても、難しく考える必要はありません。
実は、日本の伝統的な食事は地中海食にとても近い構成です。

 

 ・ 主食は雑穀入りごはん
 ・ 主菜は魚中心
 ・ 副菜に野菜・豆・海藻・きのこ
 ・ 調理油をオリーブオイル
 ・ 間食にナッツや果物


こうした“和×地中海”のスタイルは、日本人にも取り入れやすく、腸にもやさしい食事法です。


 


まとめ

関節リウマチは“食と腸”の影響を強く受ける病気です。
早く気づくこと、腸がよろこぶ食事を意識すること、医療と二人三脚で取り組むこと
この3つが、「痛みのない毎日」への第一歩になります。


完璧を目指さなくて大丈夫です。
今日の夕食を少しだけ “腸によい方向” に変える —— その積み重ねが、未来の健康につながります。

 

 


📚参考文献
 

1.Kishikawa T, et al. Metagenome-wide association study of gut microbiome revealed novel aetiology of rheumatoid arthritis in the Japanese population. Ann Rheum Dis, 2020.

2.Seifert JA, et al. Association of Antibodies to Prevotella copri in Anti–Cyclic Citrullinated Peptide Positive Individuals and Patients With Rheumatoid Arthritis. Arthritis Rheumatol, 2022.

3.Li J. Microbial threads in the tapestry of rheumatoid arthritis. J Clin Invest, 2025.

4.Göktürk BA, et al. Mediterranean Diet and Diet Inflammatory Index in Rheumatoid Arthritis. Front Nutr, 2025.

5.Hu P, et al. Mediterranean diet and rheumatoid arthritis: a nine-year cohort with meta-analysis. Eur J Clin Nutr, 2025.

6.Lamba A, et al. Gut Microbiota as a Sensor of Autoimmune Response and Potential Therapeutic Target in Rheumatoid Arthritis. Front Immunol, 2024.

7.Osaka University. When your microbiome and your genome aren’t a good match. 2019.



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